2020年度より「小学校のプログラミング教育」が必修化されることが2017年3月に決定しました。
しかし、実際に「何という教科になるのか」「どんなことを行うのか」「教材はどんなものを使用するのか」「他の教科はどうなるのか」など、色々と気になりますよね。
そこで今回は、現役SEのやーぎが「小学校のプログラミング教育」の必修化について、内容の概要とこれからの課題を解説します。
この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
中学校では既にプログラム学習が始まっている
今回の、「小学校のプログラミング教育」の必修化とは別に、既に中学校では「プログラムによる計測・制御」というものが必修化されています。
教科名は「技術家庭科」です。文部科学省では、下記のように記述されています。
プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。
ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。
簡単なプログラミングは中学校で必修化されているにも関わらず、何故「小学校のプログラミング教育」が必修化されることになったのでしょうか?
教科が追加されるわけではない
私も、初めて調べた時は驚いたのですが、実は「小学校のプログラミング教育」では「プログラミング」といった新たな教科が追加されるわけではありません。
詳細は以下の資料を見てください。
この内容を見る限り、「プログラミング」という教科が追加されるわけじゃないことがわかります。
各教科の特質に応じて、「プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動」を計画的に実施することを明記
というのが、指導要領です。
既存の教科の中で「プログラミング思考」を教えていくという内容になっています。
たとえば、理科の授業では昔も実験で豆電球や電気のスイッチを作成した経験はありますよね。
そういった電化製品とプログラミングの関係を教えていこうということです。
2020年移行に中学校・高校でも必修化する
中学校では、既に「プログラムによる計測・制御」というものがありますが、更に、「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」というものが追加されます。
そして、高校ではネットワーク(情報セキュリティを含む)、データベースの基礎等について必修で学びことになります。
更に「情報Ⅱ」では、もっと詳細なプログラミングを学べるようになります。
必修化に向けての問題点
このプログラミングの必修化については、大きな問題点があります。
それは、プログラミングを教える教員が不足しているということです。
プログラミングという新たな教科が追加されるのであれば、そういった教員を雇うことも可能ですが、既存の教科の中でプログラミングの考え方を教えていくということは、既存の教員で教えていくということになりますね。
元々、素質がある人は問題ないでしょうが、まったく素質のない教員も中にはいるでしょう。
その辺りは、民間企業と連携して上手くやっていってもらいたいものです。
本当にプログラミングを習得させたいならゲームをさせるといい
ここからは、個人的に子供にプログラミングを習得させるのには、どうしたらいいかをアドバイスします。
とにかく興味を持ってもらうのがいい
まずは、プログラミングの考え方っていうのに興味を持てるかが大事ですね。
その点では、「小学校のプログラミング教育」の必修化は、良い線付いてますね。
私がオススメするのは、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の『Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)』です!!
プログラミングの基礎知識がない方はピンとこないこもしれませんが、実は非常にプログラミングの考え方を学習するのに非常に適しています。
プログラミングというのは、「○○の場合に××をする」という命令を記憶させて動作させるものです。あとは、それの応用なんです。
その基礎を、工作気分で楽しみながら学習できるのが、『Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)』なんです。
初めて動画を見たときは衝撃を受けましたね。任天堂は天才かと。
Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)を持っている方も、持っていない方も是非おすすめします!!今の子供がうらやましいです!!
プログラミングを楽しく学ばせる
そして、興味を持ったのはいいけど勉強は中々面倒くさいものです。
そんな時は、遊びながらプログラミングを学習してしまえばいいんです。
私のおすすめは、ディズニーのプログラミング教材である「テクノロジア魔法学校」です!!
あのミッキーやドナルドなどのディズニー主要キャラをはじめ、アナ雪などのディズニーアニメのキャラクターも登場します。
学習時間は、およそ100時間で基礎から学ぶことが可能です。
どんなに勉強嫌いなお子さんでも、これなら根気よく続けられるのではないでしょうか?
プログラミングは座学だけでは身に付かない
プログラミングというのは奥が深く、座学も大事ですが、実際に動くものを作るのが一番手っ取り早く習得できます。ですので、ゲームなどで実際に作りながら覚えるのがいいわけなんですね。
ゲームでは、金額が高いという方であれば、今の時代ならネットの情報だけでも充分に習得可能です。
たとえば、Paizaというサイトでは、スキルチェックという名目で簡単なプログラムを実際にコーディングを試すことができます。
学習コースのPaizaラーニングを使えば、ある程度の知識は付けられるでしょう。ある程度の知識が付けば、Paizaで自分のスキルを確認してみましょう。
他にも、ネットには様々な学習サイトが存在します。自分の目的からどうすればよいかを見極めればいいでしょう。
まだまだ課題は多いが、これからには期待できる
このように、現代の日本ではプログラミング習得するための方法は様々です。
その中の一つに「小学校のプログラミング教育」の必修化があるといった位置づけです。
「将来、プログラマーにならないのに、そんなことを教えて意味があるの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、今回の「小学校のプログラミング教育」の必修化では、プログラミングを習得するのがも目的ではありません。
論理的思考能力の向上や、コンピュータが社会に与える影響などを学習することが目的です。それは、社会に出てからもきっと役に立つことでしょう。