内閣府が公開している男女共同参画社会に関する世論調査で、少し変わったというか異質な質問がありました。
内閣府が男女共同参画社会に関する世論調査の2019年版を公開しました。参照:男女共同参画社会に関する世論調査正直、長すぎて読む気が失せる人が多いと思うので、大事なところだけ要点をかいつまんでお伝えします。[estimated[…]
それが、『女性に対する暴力等に関する意識について』です。
女性への暴力と社会進出に何の関係があるのかわかりませんが、ひとまず内容を見てコメントしていきます。
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
「女性に対する暴力」で最も対策が必要なもの
質問内容は、『現在、政府は「女性に対する暴力をなくす運動」に取り組んで、次のような暴力への対策を進めることとしています。この中であなたが最も対策が必要だと考えるのはどれですか。この中から1つだけお答えください。』です。
回答としては、
- 配偶者や交際相手などからの暴力(DV)
- 児童買春や虐待、児童ポルノなど、子供に対する性的な暴力
- 強制性交等、強制わいせつ、痴漢、盗撮などの、性犯罪
- つきまとい、待ち伏せなどのストーカー行為
- テレビや雑誌、コンピューターソフト、ビデオやインターネットなどの性・暴力表現
- 暴力や脅迫などの手段で売春や労働を強要される、人身取引
- セクシュアルハラスメント(セクハラ)
- 売春・買春
- その他
- 特にない
- わからない
の11択です。
なるほど。質問の意図が少しわかりました。結果を見てコメントします。
まず『強制性交等、強制わいせつ、痴漢、盗撮などの、性犯罪』に関しては、前回の19.7%よりも下がって15.6%です。
『つきまとい、待ち伏せなどのストーカー行為』も17.6%から10.7%と大幅に下がっています。
しかし逆に『配偶者や交際相手などからの暴力(DV)』では、15.8%から26.4%に、『児童買春や虐待、児童ポルノなど、子供に対する性的な暴力』では16.5%から21.0%に増えています。
男女で大きく違ったのは『児童買春や虐待、児童ポルノなど、子供に対する性的な暴力』でした。男性が16.7%なのに対して、女性は24.7%です。
この回答は、30~39歳で断トツに割合が多くなっていることから、子育て世代が心配しているのだと想像できますね。
女性に対する暴力や様々な悩みなどの相談窓口で知っているもの
質問内容は、『政府が設置している女性に対する暴力や様々な悩みなどに関する相談窓口などについて、あなたが知っているものを、この中からいくつでもあげてください。(複数回答)』です。
回答としては、
- ひきこもり地域支援センター
- 自殺対策相談窓口
- こころの健康相談統一ダイヤル
- 女性の人権ホットライン
- DV相談ナビ
- 警 察 相 談 専 用 電 話 # 9110
- 男女共同参画センター・女性センター
- ハラスメント悩み相談室
- 性犯罪被害相談電話に係る全国共通電話番号#8103(ハートさん)
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
- その他
- 特にない
- わからない
念のために、各相談窓口の情報をお知らせしておきます。
>>DVやセクハラ、性的暴行、ストーカーなどの女性の相談窓口まとめ
内閣府が『女性に関する暴力等に関する意識について』の調査結果を公開しました。>>【2019年版】『女性に対する暴力等に関する意識について』の調査結果について[sitecard subtitle=関連記事 url=https:[…]
どの相談窓口も半数を超えていませんでした。もっと周知する必要がありますね。
意外だったのは、男性も知っている割合が多かったことです。
『自殺対策相談窓口』『DV相談ナビ』『警察相談専用電話#9110』『男女共同参画センター・女性センター』『ハラスメント悩み相談室』『性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター』では男性の方が多い結果となりました。
女性に対する暴力や様々な悩みなどの相談窓口で配慮してほしいこと
質問内容は、『あなたは、女性に対する暴力や様々な悩みなどに関する相談窓口などで配慮してほしいと思うことは何ですか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答) 』です。
回答としては、
- 24時間相談ができる
- 匿名で相談ができる
- 弁護士など、法的知識のある相談員がいる
- 同性の相談員がいる
- 通話料が無料
- 電話による相談ができる
- 臨床心理士、公認心理士など、心理専門職の相談員がいる
- LINEなどのSNSによる相談ができる
- メールによる相談ができる
- 相談内容に関連する、他の相談窓口との連携が行われる
- その他
- 特にない
- わからない
です。
どれも高い割合ですが、特に『24時間相談ができる』は高く60.9%あります。
『匿名で相談ができる』『弁護士など、法的知識のある相談員がいる』も50%を超えていますね。
『同性の相談員がいる』が50%近くあるのは正直どうなのかなと思います。
こういった要望があるのもわかりますが、ここで男女を分けてしまうのは男女共同参画社会としてはやってほしくないですね。
最近では、病院でも女性医師が増えていますが、たまに『女性医師希望』という問診票の欄があったりします。こういったものは男女平等とは言えません。
仕事をしている人に対して、性別の希望を出すなんて失礼ですよ。逆に男性を希望されたらどう思いますか?
女性に配慮し過ぎた結果、逆に男女共同参画社会に反することになってしまわないように気を付ける必要があるでしょう。