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大学無償化の対象大学は?最新情報、詳細を解説

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大学無償化(高等教育無償化)が2018年12月28日に閣僚会議で決定されました。

そして、2019年04月11日には衆議院を通過しました。

ついに2019年05月10日に大学無償化法が成立しました。

いつから施行されるのか?どんな内容なのか?所得制限資産など無償化の対象は?私立大学など対象大学は?デメリットはあるの?様々な疑問が湧いてきます。

今回は、大学無償化(高等教育無償化)の対象大学など詳細を解説していきます。

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2018年12月28日の閣僚会議で決定されたこと

2018年12月28日の閣僚会議で決定されたことを簡単に要件をかいつまんで紹介します。

簡単に説明していますので、細かい内容が知りたい方は文部科学省のPDFを見てください。
参照:文部科学省

大学無償化はいつから?2020年4月から

大学無償化(高等教育無償化)は、2020年(令和2年)の4月から開始されます。

もうあっというまですね。しかし、本当に無償化されるのか不安ではないですか?

所得制限などの無償化の対象はどうなるのか気になりますよね。

大学無償化の所得制限について

大学無償化(高等教育無償化)は、全員無償化されるわけではありません。

所得制限があるんですね。

①年収250万円未満(住民税非課税世帯)国立大学の場合、全額免除、私立大学の場合、約70万円減額
②年収300万円未満の世帯①の額の3分の2を支給
③年収380万円未満の世帯①の額の3分の1を支給

返済不要の給付型奨学金の支給

授業料の減免は、案にあったような内容になると思われますが、追加で返済不要の給付型奨学金の支給が行われるようです。

まずは、現行の制度です。

  • 国立:月2万円(授業料全額免除対象の場合は0円)
  • 公立:月2万円
  • 私立:月3万円
  • 国立:月3万円(授業料全額免除対象の場合は月2万円)
  • 公立:月3万円
  • 私立:月4万円

参照:独立行政法人 日本学生支援機構

成績も関係します。

ただ、年収250万円未満(住民税非課税世帯)については、現行の制度よりも手厚くなることが決定されました。

  • 国公立:約35万円
  • 私立:約46万円
  • 国公立:約81万円
  • 私立:約91万円
給付型奨学金制度の所得制限について現段階で発表されているのは、年収250万円未満(住民税非課税世帯)のみが対象です。
一定の資産額があるとされる世帯も対象外となる可能性があります。

大学無償化の対象大学は?

私立大学も対象

私は元々、案の時点から注目していたのですが、対象は国立大学のみでいいと思っていました。

しかし、どうやら私立大学も対象になるようです。

それどころか、短期大学や高専、専門学校も対象になります。

支援対象校の要件は?

簡単に説明すると、「定員割れしているような学校や質の低い教員しかいない学校とか、とにかくちゃんとした学校しか対象にしないよ」ということです。

まだ、具体的に支援対象外となる大学名はわかっていません。

国立大学、私立大学、短大、専門学校の減免対象額

今回、大学無償化とは言っても実際は減免という扱いになります。

一番減免額が多い『年収250万円未満(住民税非課税世帯)』の場合の、各学校の減免額を記しておきます。

国立私立
入学金授業料入学金授業料
大学約28万円約54万円約26万円約70万円
短期大学約17万円約39万円約25万円約62万円
高等専門学校約8万円約23万円約13万円約70万円
専門学校約7万円約17万円約16万円約59万円

入学後にも学生に要件が課される

簡単に説明すると、「真面目に勉強しない学生は支援を打ち切るよ」ということです。

高校卒業後、2年の間に入学が認められない場合は支援の対象外になります。

大学無償化の財源について

基本的に、学校の管轄機関が財源になります。

国立であれば、国が出しますし、公立であれば都道府県市区町村といった形です。

私立大学は、国が管轄です。私立専門学校は国が管轄している学校もあれば、都道府県が管轄している学校もあります。

参照:文部科学省

高等教育の負担軽減の具体的方策について

文部科学省が提供している「高等教育の負担軽減の具体的方策について」に更に具体的な方策が載っています。

詳細が知りたい方は、参照するとよいでしょう。

大学の学費の目安について

大学無償化が実現されるとして、どのくらい家計が助かるのかわからないと意味がないですよね。

実際に、現代の大学の学費は年々高くなっていますので、現状の大学の学費の目安を見ていきましょう。

文部科学省が公表している平成29年度の調査では、以下の通りです。

  • 国立大学:授業3料(535,800円)、入学料(282,000円)
    ※授業料は17年度、入学料は14年度より変更なし)
  • 公立大学:授業料(538,294円)、入学料(394,225円)
  • 私立大学:授業料(877,735円)、入学料(253,461円)
    ※平成28年度の調査結果

(文部科学省 私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 平成28年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果についての『(参考資料)国公私立大学の授業料等の推移(PDF)』から抜粋)

4年間と考えると、

  • 国立大学:計2,425200円
  • 公立大学:計2,547,401円
  • 私立大学:計3,764,401円

上記はあくまで目安の金額です。大学や学部によって掛かる費用はピンキリ・・・ですからね。

そしてもちろん、大学生活には授業料以外のその他費用もかかります。

学習道具・教材や、生活費・交通費、などなど・・・ 色々ありますよね。

これは、給付型奨学金で賄うことを想定しています。

在学中に学費以外でかかる費用

いくら大学無償化(高等教育の無償化)が実現したとしても、在学中にはそれ以外の費用がかかりますよね。

おおよその試算額(年額)を紹介します。

自宅自宅外(学寮(寄宿舎))自宅外(下宿・アパート)
授業料意外の学校給付金31.3万円(私立大学)
修学費(教科書、参考図書、実習材料、文具類の購入費、実習旅行費、実習を受けるために加入した保険料等)4.7万円4.9万円4.9万
課外活動費(サークル活動や自治会活動など、教育以外のために支出した経費。サークル会費、合宿費、遠征費、用具購入費、自治会費など。)3.4万円5.6万円4.0万円
通学費(定期券代など通学に要する経費。自転車、バイク、自動車などのガソリン代、維持費なども含む。)10.2万円1.7万円2.1万円
食費(外食、自炊のための材料費、下宿に食費として支払う額など。間食代や嗜好品的なものは除く。)10.0万円23.4万円26.7万円
住居・光熱費(家主に支払う部屋代、光熱水費、暖房費など)29.5万円46.2万円
保健衛生費(診療代、薬代、理髪美容代、化粧品代、銭湯代など)3.9万円3.7万円3.9万円
娯楽・嗜好費(趣味、レクリエーションなどの費用及び酒、タバコ、間食代など)13.3万円12.1万円14.6万円
その他の日常費(通信費、被服、帰省のための交通費、社会保険料など)14.3万円14.9万円16.2万円

出典:文部科学省 高等教育の負担軽減の具体的方策について

このように、大学等の高等教育施設へ在学中には、これだけの費用がかかるんです。

よく自分の学費は親に出してもらっておきながら「大学に行きたいなら奨学金を借りれば良かっただろ」などとのたまう方がいますが、学費以外にかかる費用を計算に入れていないんですかね。

今回の大学無償化(高等教育の無償化)によって、学費の負担が無くなり、それにプラスする形で給付型の奨学金を支給されて、そこでようやく進学を考えることができるんです。

とくに地方ではそういった現実が多いんですよね。

大学無償化は国立だけでいい

大学無償化について、私が対象にしてほしいのは、「国立大学」のみです。 (案の内容を見ると、国立大学のみが全額免除のようですね。)

どうしても「無償の国立大学」ではなく、「(もちろん有償の)私立大学」に行きたい場合は、 自分で奨学金を借りてでも行くと思います。

個人的には、世間でいう『Fラン大学』は早々に潰れてほしいです。

私は、低収入世帯で育ったわけではありませんが、兄弟が多いこと、父親の仕事が自己出費の多い職業だったこと等を理由に、結果的に裕福な家庭ではありませんでした。

もちろん、大学進学費用を両親が負担してくれるほど余裕もありません。

田舎育ちということもあり、国立大学が自宅から通える距離になかったため、国立大学にいくにはどうしても一人暮らしをする必要があります。

上記の理由からも、所得制限だと意味がないこともわかりますね。その当時の私は、「奨学金を借りて」「アルバイト尽くしの大学生活」を送りたいとは思っていませんでした。

私のように、「借金をしてまで大学に行きたい」と思う人はいなくても、 国立大学が無償化となれば大学進学を選ぶ人は多くなるでしょう。

大学には、学べることが沢山あると聞きます。

私は 未来ある子供達に、親の収入のせいで大学進学を諦めるようなことをさせたくありません。

そのためにも、この大学無償化(高等教育無償化)、念入りな調査と議論で、いい制度になっていただきたいですね。(案の中には、成績の悪い生徒への免除を打ち切るものもあるようです。)

高校の義務教育化についての記事も書いています。

>>高校の義務教育化!メリット・デメリットは?様々な視点から感じること

やーぎの社会のミカタ

2020年4月に大学が無償化されることをご存知でしょうか?実は昨今、大学についての議論だけでなく、 「高校までを義務化し…

幼児教育の無償化についても記事を書いています。

>>幼児教育の無償化はいつから?対象は?所得制限は?

やーぎの社会のミカタ

幼児教育が無償化されることを、皆さんご存知ですか?子供のいる家庭としてはもちろん嬉しいですよね。しかし、対象は?保育園は…

大学無償化(高等教育無償化)のデメリットは?

もちろん、こういった新しい制度にはメリットだけでなくデメリットが存在します。主に、世間で騒がれているものを紹介しましょう。

既に大学を卒業している人からすると不公平・ずるい

既に大学を卒業済であったり、金銭的な理由から大学進学を諦めた人たちからすると、大学無償化(高等教育無償化)は不公平でずるいと感じる人がいるようです。しかし、それはおかしな話です。

よりよい世の中にするために制度の改正があるのです。

未来ある若者の学力向上の妨げが金銭面というのは、先進国としては恥ずかしいです。

大学無償化に使う財源がもったいない

大学無償化には、莫大な予算がかかります。

※2019年04月11日の衆議院で発表された試算額は、最大で7800億円

そのための財源は税金ですので、大人からすると面白くないと思う人もいるでしょう。

しかし、若者が育たなければ国は衰えていくばかりです。未来への投資だと思いましょう。

いまいちな制度になりそう

懸念していた年収制限は残りそうです。となると、「貧乏ではないが大学には行けない」という子供たちは救われそうにありません。

費用が足りないのかと思いきや、まさかの短期大学や専門学校も対象になったことで不満が大きくなってしまいました。

素晴らしい学校もあるのかもしれませんが、その費用があるのであれば国立大学に集中して、年収制限を取っ払う方がいいです。残念な結果になりました。

何故か私立の方が給付型奨学金の受給額が多いんです。おかしな話です。今後の制度変更に期待しましょう。

大学無償化(高等教育無償化)の案について

今回の大学無償化(高等教育無償化)の対象については、元々2つの案が検討されていました。

案1:出世払い方式

学生が卒業後、 「ある一定の収入」を越えた時点から返済が開始されるというものです。

この方法は『無利子奨学金』であって、「大学無償化」とは違うのではないでしょうか・・・。どうやらオーストラリアの『高等教育拠出金制度(HECS(ヘックス))』 をモデルにしているようですが、現在の日本で同じような制度をそのまま取り入れても、上手くいくとは思えません。

現状を把握できぬまま安易に海外の制度をモデルに・・・ 本当にいい結果が生まれるのでしょうか。

案2:所得制限

無償化の対象を『住民税非課税世帯』のみとする方法が所得制限です。この『住民税非課税世帯』、どのくらいの年収のことを指すのでしょうか。自治体や家族の人数によって変わるため、正確な数字は答えられませんが、 おおよそ夫婦子供一人の世帯なら年収210~220万円以下程度です。

ふと気になるのは、この年収の家庭では、大学に進学する人達の割合はどのくらいなのか ということです。大学の学費が無償になったところで、 大学に行く人なんてほとんどいないんじゃないでしょうか。一体、何がしたいのかわかりませんね。

こういった経緯を考えると、かなり良い方向に進んでいると言えるのではないでしょうか。

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